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IOCファイルは1つ以上のインジケータ用語で構成されています。これらのインジケータ用語は調査で使用する変数を指定します。Trend Micro Endpoint Sensorでは、アップロードされたIOCファイルが次の手順で解析されます。

  • IOCファイルからすべてのインジケータ用語を抽出する

  • サポートされるインジケータ用語をSQLコマンドに変換する

  • これらのSQLコマンドを調査のパラメータに適用する

  • サポートされないインジケータ用語はすべてスキップする

Trend Micro Endpoint Sensorでは、IOCファイルが次のように分類されます。

  • Historical Records IOC

    履歴イベントの調査に使用されるIOCファイルです。これらのファイルは [Historical search] > [IOC files] でアップロードされます。

    詳細については、Historical Records IOCのIOCサンプルを参照してください。

  • System Process IOC

    現在のシステム状態に基づいた、実行中のシステムプロセスの調査に使用されるIOCファイルです。これらのファイルは [System snapshot] > [IOC files] でアップロードされます。

    詳細については、System Process IOCのIOCサンプルを参照してください。

  • Disk Scanning IOC

    システム上の特定ファイルの調査に使用されるIOCファイルです。アップロードされたDisk IOCファイルには、fileitem/filepathインジケータまたはfileitem/fullpathインジケータが少なくとも1つ含まれている必要があります。これらのファイルは [System snapshot] > [Disk IOC files] でアップロードされます。

    詳細については、Disk Scanning IOCのIOCサンプルを参照してください。

  • Monitoring IOC

    システム上の特定ファイルの監視に使用されるIOCファイルです。これらのファイルは [Monitoring Setting] > [User defined] でアップロードされます。

    詳細については、監視ルールを参照してください。

それぞれの分類で一連のインジケータ用語がサポートされています。次の表を参照して、使用するインジケータ用語を確認してください。

表 1. Trend Micro Endpoint Sensor 1.6でサポートされるIOCインジケータ項目

インジケータ

Historical Records

System Process

Disk Scanning

Monitoring
  • DnsEntryItem

    データベースログでネットワーク関連のクエリを検索するには、Historical Records IOCのDnsEntryItemインジケータを使用します。

    システム上のネットワーク関連の動作を監視するには、Monitoring IOCのDnsEntryItemインジケータを使用します。

dnsentryitem/host

DNSホスト

dnsentryitem/recorddata/host

ホスト名

dnsentryitem/recorddata/ipv4address

DNSホストのIPv4アドレス

  • FileItem

    データベースログでロードされたモジュールを検索するには、Historical Records IOCのFileItemインジケータを使用します。

    システムスナップショットでロードされたモジュールを検索するには、System Process IOCのFileItemインジケータを使用します。実行中のプロセスやWindowsサービスには、FileItemインジケータは使用しないでください。

    システムスナップショットでロードされたモジュールを検索するには、Disk Scanning IOCのFileItemインジケータを使用します。Trend Micro Endpoint Sensorでは、Disk Scanning IOCに対して、少なくとも1つのfileitem/filepathまたはfileitem/fullpathインジケータが必要です。

    システム上のファイルアクセス (ドロップ/オープン) 動作を監視するには、Monitoring IOCのFileItemインジケータを使用します。

fileitem/accessed

ファイルが最後にアクセスされたときのタイムスタンプ

例:2000-04-12T09:14:38Z

 

fileitem/created

ファイルが作成されたときのタイムスタンプ

例:2000-04-12T09:14:38Z

 

fileitem/fileextension

ファイル拡張子名

例:exe

fileitem/filename

不審ファイル名

fileitem/filepath

ファイル名のない対象のランディングフォルダ

Disk Scanning IOCの場合、サブフォルダを再帰的に検索するには、パスの後にアスタリスク (*) を追加します。

例:C:\Windows\System32\*

Disk Scanning IOCでは、少なくとも1つのfilepathまたはfullpathインジケータが必要です。

fileitem/fullpath

ファイル名を含む対象の完全なランディングフォルダ

例:C:\Windows\System32\WinSync.dll

Disk Scanning IOCでは、少なくとも1つのfilepathまたはfullpathインジケータが必要です。

fileitem/md5sum

不審ファイルのMD5ハッシュ値 (16進数形式)

fileitem/modified

ファイルが最後に変更されたときのタイムスタンプ

例:2000-04-12T09:14:38Z

 

fileitem/peinfo/digitalsignature/certificateissuer

ファイルのデジタル証明書発行元セクション内のキーワード

 

fileitem/peinfo/digitalsignature/certificatesubject

ファイルのデジタル証明書サブジェクトセクション内のキーワード

fileitem/sha1sum

不審ファイルのSHA-1ハッシュ値 (16進数形式)

fileitem/sizeInbytes

ファイルのサイズまたはファイルサイズの範囲 (バイト単位)

例:101000 TO 120000

 

fileitem/username

ファイルを作成したアカウント名

 

fileitem/devicepath

ファイルのデバイスパス

     

fileitem/drive

ファイルのドライブ

     

  • Network

    データベースログでDNSレコードを検索するには、Historical Records IOCのNetworkインジケータを使用します。

network/dns

ネットワークアプライアンスから取得されたDNSレコード

 
  • PortItem

    データベースログのネットワーク関連のクエリまたは実行中のプロセスの検索には、Historical Records IOCのPortItemインジケータを使用します。

    システム上のネットワーク関連の動作を監視するには、Monitoring IOCのPortItemインジケータを使用します。

portitem/creationtime

接続が確立されたときのタイムスタンプ

例:2000-04-12T09:14:38Z

 

portitem/localip

バインドしているローカルIPアドレス

 

portitem/localport

バインドしているローカルポート

 

portitem/process

特定のポートにバインドしているプロセス名

 

portitem/remoteip

接続されているリモートIPアドレス

portitem/remoteport

接続されているリモートポート

 
  • ProcessItem

    データベースログのネットワーク関連のクエリについては、Historical Records IOCのProcessItemインジケータを使用します。

    システムスナップショットで実行中のプロセスを検索するには、System Process IOCのProcessItemインジケータを使用します。実行中のプロセスやWindowsサービスには、FileItemインジケータは使用しないでください。

    システム上のプロセスのアクティビティを監視するには、Monitoring IOCのProcessItemインジケータを使用します。

processitem/handlelist/handle/name

ハンドル名またはハンドルへのパス

 

processitem/handlelist/handle/type

Windowsのハンドルの種類

 

processitem/name

特定のプロセス名により作成された接続

processitem/path

プロセスの実行可能ファイルへのファイルパス

processitem/pid

WindowsプロセスのID番号

 

processitem/portlist/portitem/creationtime

プロセスが作成されたときのタイムスタンプ

例:2000-04-12T09:14:38Z

 

processitem/portlist/portitem/localip

接続されているローカルIPアドレス

 

processitem/portlist/portitem/remoteip

接続されているリモートIPアドレス

processitem/sectionlist/memorysection/digitalsignature/certificateissuer

プロセスの証明書発行元セクション内のキーワード

 

processitem/sectionlist/memorysection/digitalsignature/certificatesubject

プロセスの証明書サブジェクトセクション内のキーワード

 

processitem/sectionlist/memorysection/sha1sum

プロセスまたはファイルに関連付けられたSHA-1ハッシュ値 (16進数形式)

 

processitem/sectionlist/memorysection/md5sum

不審プロセスのMD5ハッシュ値 (16進数形式)

 

processitem/username

プロセス所有者のアカウント

 
  • RegistryItem

    システムスナップショットのWindowsレジストリ関連のクエリについては、Historical RecordsおよびSystem Process IOCのRegistryItemインジケータを使用します。

    システム上の自動実行プロセスに関連したレジストリの変更を監視するには、Monitoring IOCのRegistryItemインジケータを使用します。

registryitem/keypath

完全なレジストリパス

例:

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ Microsoft\Notepad\DefaultFonts

 

registryitem/path

レジストリパス内のキーワード

 

registryitem/value

レジストリデータ内のキーワード

 

registryitem/valuename

レジストリエントリの名前

 
  • ServiceItem

    システムスナップショットでアクティブなWindowsサービスを検索するには、System Process IOCのServiceItemインジケータを使用します。実行中のプロセスやWindowsサービスには、FileItemインジケータは使用しないでください。

serviceitem/description

サービスの説明内のキーワード

 

serviceitem/descriptivename

わかりやすい完全なWindowsサービスの名前

 

serviceitem/name

レジストリに保存されたWindowsサービスの短い名前

 

serviceitem/servicedllcertificateissuer

サービスDLLの証明書発行元セクション内のキーワード

 

serviceitem/servicedllcertificatesubject

サービスDLLの証明書サブジェクトセクション内のキーワード

 

serviceitem/servicedllmd5sum

不審サービスのMD5ハッシュ値 (16進数形式)

 

serviceitem/startedas

サービスを開始したユーザアカウント

 

serviceitem/status

サービスのステータス:

  • active

  • inactive

 

serviceitem/type

Windowsサービスの種類

 
  • UserItem

    データベースログでユーザアカウントを検索するには、Historical Records IOCのUserItemインジケータを使用します。

useritem/disabled

無効にされたユーザ

 

useritem/fullname

ドメインおよびユーザアカウントの名前

例:user@domain.com

 

useritem/grouplist/groupname

グループ名

 

useritem/lastlogin

最新の既知のアクセス

例:2000-04-12T09:14:38Z

 

useritem/username

ユーザアカウント名

 
注:
  • IOCファイルの構文が正しいことを確認してください。http://OpenIOC.org/で確認できるIOCスキーマおよび関連する指示に従ってください。

  • <Trend Micro Endpoint Sensorサーバのインストールパス>\CmdTool\IOCTool\フォルダにあるIOCToolを使用して、無効なIOCファイルをトラブルシューティングします。

    詳細については、無効なIOCファイルのトラブルシューティングを参照してください。