Cloud App Securityは [コンテンツ検索] 機能を利用して、ユーザのメールゲートウェイで実行されるメール保護サービスを補完する高度なスパムメール対策を提供し、グレーメール、詐欺メール、ビジネスメール詐欺 (BEC)、ランサムウェア、高度なフィッシング、およびその他の一般的な攻撃からメールサービスユーザを保護します。次のコンポーネントを使用してヒューリスティックポリシーを適用し、不要なコンテンツを検出したりメールメッセージをブロックまたは許可したりします。
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スパムメール対策エンジン
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スパムメールパターンファイル
スパムメール対策エンジンは、スパムメールのシグネチャとヒューリスティックルールを使用してメールメッセージをフィルタします。メールメッセージを検索し、ルールやパターンファイル内のパターンにどれくらい近似しているかに基づいてスパムメールスコアを割り当てます。その後、スコアをユーザ指定のスパムメール検出レベルと比較し、結果をCloud App Securityに送信します。スコアが検出レベルを超えている場合、Cloud App Securityはメールメッセージが属するカテゴリに基づいて処理を実行します。スパムメール対策エンジンがスパムメールスコアを割り当てる方法は変更できませんが、Cloud App Securityがスパムメールを判別する検出レベルは調整できます。
さらにスパムメール対策エンジンは、Trend Micro Email Behaviour Analysis (EBA) モジュールを利用してグレーメールメッセージや詐欺メールを検出します。
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グレーメール: 特定のユーザに大量に送信される、スパムメールメッセージの定義に当てはまらないメールメッセージです。ユーザによっては、スパムメールまたは安全なメールとみなす場合があります。
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詐欺メール: 架空の費用の前払いを要求するナイジェリア詐欺、宝くじ詐欺、およびビットコイン詐欺など、個人または団体から信用を得た上で金銭などをだまし取ろうとする試みです。
さらにCloud App Securityは、組織のユーザをBEC攻撃から保護するための追加レイヤとして、トレンドマイクロのWriting Style DNAを機能として提供します。詳細については、Writing Style DNAについてを参照してください。
Writing Style DNAについて
Cloud App Securityでは、組織のユーザをBEC攻撃から保護するための追加レイヤとして、トレンドマイクロのWriting Style DNAの技術を利用した機能を提供します。
Cloud App Securityでは、ライティングスタイルの分析機能により、偽装される可能性がある人物が書いたメールメッセージの検索を行い、その作成者特有のライティングスタイルをメールシステムで識別するためのモデルの生成とトレーニングを行います。このライティングスタイルモデルは一連の特性または特徴で、個人のメールメッセージの文体を自動化された方法で一意に識別して探索します。偽装される可能性がある人物からの受信メールメッセージは、モデルと比較されて作成者の識別が行われます。
注意このリリースのライティングスタイル分析は、英語、日本語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、スウェーデン語、デンマーク語、ノルウェー語、フィンランド語、およびブラジルポルトガル語で作成されたメールメッセージに適用されます。
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作成者の識別には、Cloud App Securityで各高プロファイルユーザのライティングスタイルモデルをトレーニングし、分析することが必要になります。ユーザのライティングスタイルモデルは時間の経過とともに変化する可能性があるため、それらを常に更新して、メールのフィルタ処理を調整することが必要です。この機能をいったん有効にすると、Cloud App Securityは高プロファイルユーザのライティングスタイルのトレーニングを開始して、使用可能なパーソナルモデルを構築し、新たなメールメッセージの作成にあわせてそれを改善します。
高度なスパムメール対策を設定する
手順
- [高度なスパムメール対策] を選択します。
- 高度なスパムメール対策を有効にします。
- (オプション) [検出機能向上のため不審メール情報をトレンドマイクロに送信する] を同意できる場合は選択します。
- [ルール] を設定します。設定説明適用高度なスパムメール対策を適用するメールメッセージの範囲を選択します。
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[すべてのメッセージ]: このポリシーが受信メールメッセージ、送信メールメッセージ、および内部メールメッセージに適用されることを意味します。受信/送信メールメッセージは、内部以外のドメインとの間で送信されます。
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[受信メッセージ]: このポリシーが内部ドメイン以外から送信された受信メールメッセージにのみ適用されることを意味します。
注意
内部ドメインの詳細については、内部ドメインリストを設定するを参照してください。Exchange Online (インラインモード) では、受信保護については [受信メッセージ] に、送信保護については [送信メッセージ] にそれぞれ範囲が固定されています。受信メッセージは組織外から組織内のアドレスに送信されるメッセージで、送信メッセージは組織内から外部のアドレスに送信されるメッセージです。検出レベル検出レベルを選択します。オプションには次のものがあります。-
[高]: 最も高いレベルです。Cloud App Securityは不審ファイルまたはテキストについてすべてのメールメッセージを監視しますが、誤検出の可能性も高くなります。誤検出とは、正規のメールメッセージがスパムメールとして検出されることを指します。
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[中]: Cloud App Securityは高いレベルでスパムメールを検出し、誤検出の可能性は中程度です。
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[低]: 最も低いレベルです。Cloud App Securityは明らかで一般的なスパムメールメッセージのみをフィルタし、誤検出の可能性は低くなります。
高度なBEC検出設定または [高プロファイルドメイン] の順、もしくは の順に選択し、必要に応じて高プロファイルユーザ、外部ドメイン、または内部ドメインを指定します。注意
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これにより、頻繁に偽装されるユーザやドメインからのメールメッセージをCloud App Securityで詳細に確認し、詐欺メールの確認条件を適用して偽装メッセージを特定することで、BEC攻撃に対処できるようになります。
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この機能は、Exchange Online (インラインモード) の送信保護では使用できません。
異常なシグナルの検出(Exchange Onlineのみ)注意
この機能は、Exchange Online (インラインモード) では使用できません。異常なシグナルは、Cloud App Securityによって疑わしいと判断されたメールの動作や兆候です。異常なシグナル1件で確実な脅威となるわけではありませんが、リスクの可能性を示していることがあります。メールメッセージで1件の異常なシグナルが検出されると、Cloud App Securityによってそのメッセージの異常なシグナルに対する処理の実施がサポートされます。異常なシグナルに関する詳細については通常と異なるシグナルを参照してください。-
以下のいずれかの不審な属性を持つ外部送信者がいないかどうかの確認を選択します。
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送信者の表示名が高プロファイルユーザのリストに一致するこの機能を使用するには、[高プロファイルユーザ] リストを設定する必要があります。
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送信者は少なくとも過去30日間メールを送信していない送信者は、既存のドメインまたは新たに登録されたドメインかを問われません。
注意
Cloud App Securityは、トレンドマイクロが収集した情報に基づいて、送信者が条件を満たしているかを判定します。
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その他の異常なシグナルを確認するかどうかを選択します。以下はその例です。
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ブランドの異常な挙動
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既知の悪意のあるリンクに似たURL
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未知の送信者からの支払いの問題に関する連絡
トレンドマイクロは、今後も正常または通常の挙動とは異なる その他のメールの挙動や特徴を検出するのに役立つ、新たな異常なシグナルの追加を継続します。 -
表示名のスプーフィング検知(オプション) チェックボックスをオンにして、表示名のスプーフィング検知を有効にします。このオプションは、初期設定で無効になっています。Cloud App Securityは、外部送信者の表示名を確認し、その名前が組織内で使用されている名前に類似または一致するかどうかを検出した後、その送信者からのメールメッセージを分析して、メッセージが詐欺メール、フィッシング、ビジネスメール詐欺 (BEC)、またはランサムウェアの攻撃かどうかを判断します。Cloud App Securityは、検出された脅威のカテゴリに基づいて設定された処理を実行し、表示名のスプーフィングを利用したメールのなりすまし攻撃から組織のユーザを保護します。注意
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特定の外部送信者を検出から除外するには、の順に選択して、送信者のメールアドレスを除外リストに追加します。
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この機能は、Exchange Online (インラインモード) の送信保護では使用できません。
Retro Scanと自動修復過去のメールメッセージを再検索し、修復処理を実行するかどうかを選択します。このオプションは、初期設定で無効になっています。注意
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この機能は、Exchange Online (インラインモード) では使用できません。
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この機能は、[高度なスパムメール対策] の [承認済み/ブロックする送信者リスト] または [承認済みヘッダフィールドリスト]、あるいはグローバルな [承認済みヘッダフィールドリスト] に一致するメールメッセージには適用されません。
この機能を有効にするには、[検出機能向上のため不審メール情報をトレンドマイクロに送信する] をオンにする必要があります。このオプションを有効にすると、Cloud App Securityでメッセージの検索時にメールメッセージのメタデータが収集されるようになります。Cloud App Securityは、メタデータの蓄積後、最新のパターンファイル、および長期にわたりメールの動作を観察し分析する機械学習テクノロジを活用してメタデータを分析し、まだ特定されていない未知の脅威を検出します。Retro Scanならではの注目すべき利点は、さまざまなメールメッセージの属性を関連付けることができる点です。これにより、メッセージを1つずつ分析することでは見つけられない脅威を検出できます。Cloud App Securityは、Retro Scanの結果に基づき、影響を受けたメールメッセージに対して自動的に修復処理を実行します。-
スパムまたはその他の種類の脅威としてフィルタ処理されるべきメールメッセージがフィルタ処理されていない場合、Cloud App Securityはそれらのメールメッセージに対して管理者の設定した処理を実行します。
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誤ってスパムまたはその他の種類の脅威としてフィルタ処理されたメールメッセージについては、Cloud App Securityは、高度なスパムメール対策フィルタによって隔離されている場合はそのメールメッセージを復元します。また、このフィルタによって迷惑メールフォルダに移動されている場合はそのメッセージを受信トレイに戻します。Cloud App Securityによってそれ以外の処理が取り消されることはありません。
グレーメール検出(Exchange Onlineのみ)注意
この機能は、Exchange Online (インラインモード) の送信保護では使用できません。-
[グレーメール検出を有効にする] を選択します。Cloud App Securityは、次のものをグレーメールメッセージとして検出します。
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マーケティングメッセージとニュースレター
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ソーシャルネットワーク通知
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フォーラム通知
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バルクメッセージ
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グレーメールのカテゴリを1つ以上選択します。
ライティングスタイル分析によるBEC検出注意
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この機能は、Cloud App Securityが高プロファイルユーザのライティングスタイルモデルにトレーニングした内容を蓄積して、BEC攻撃を検出するための高度な手段を提供します。追加の設定が必要になります。
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この機能は、Exchange Online (インラインモード) の送信保護では使用できません。
ライティングスタイル分析を設定する前に、に移動して以下を設定します。-
ライティングスタイルのトレーニング対象となる高プロファイルユーザのメールアドレス。詳細については、高プロファイルユーザを設定するを参照してください。
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ライティングスタイルを検証するための検索から除外するメールアドレス。詳細については、高プロファイルユーザの除外リストを設定するを参照してください。
[ライティングスタイル分析によるBEC検出] を設定します。詳細については、ライティングスタイル分析によるBEC検出を設定するを参照してください。 -
- [承認済み/ブロックリスト] をクリックします。
- [承認済み/ブロックする送信者リスト] を設定します。
- 承認済み送信者リストを有効にします。
- 高度なスパムメール対策の検索から除外する送信メールアドレスまたはドメインを指定し、[追加 >]をクリックします。
注意
ワイルドカード文字 (*) を使用して、メールアドレスまたはドメイン名に含まれる任意の文字を表すことができます。例: *@example.com、name@*.com、*@*.example.com次の形式は無効です。*@*、* - オプションで [インポート] をクリックして、送信者のメールアドレスを一括インポートします。
- ブロックする送信者リストを有効にします。
注意
ブロックする送信者リストに一致するメールの場合、[ブロックする送信者/ヘッダフィールドリスト] に対して指定された処理がCloud App Securityによって適用されます。 - メッセージに直接処理を適用する送信メールアドレスもしくはドメインを指定し、[追加 >]をクリックします。
注意
ワイルドカード文字 (*) を使用して、メールアドレスまたはドメイン名に含まれる任意の文字を表すことができます。例: *@example.com、name@*.com、*@*.example.com次の形式は無効です。*@*、* - オプションで [インポート] をクリックして、送信者のメールアドレスを一括インポートします。
- [処理] に移動して、ブロックする送信者/ヘッダフィールドリストに対する処理を設定します。
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Gmailでは [メールにラベル付け]、[削除]、および [隔離] を選択できます。
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他のアプリケーションおよびサービスでは [隔離] と [削除] を選択できます。
- [承認済みヘッダフィールドリスト] を設定します。
- 承認済みヘッダフィールドリストを有効にします。
- ヘッダフィールドの名前と、そのフィールドの値を指定し、必要に応じて [次の値を含む] または [次に等しい] を選択します。
- [追加] をクリックします。指定したエントリが下の領域に表示されます。[次の値を含む] または [次に等しい] が選択されているかどうかに応じて、メールメッセージの指定したヘッダフィールドに指定した値が含まれるか、ヘッダフィールドと指定した値が完全に一致する場合、そのメッセージは高度なスパムメール対策で検索されなくなりますが、ポリシー内の他のセキュリティフィルタの検索対象にはなります。
注意
ヘッダフィールドの名前と値は大文字と小文字が区別され、ワイルドカード文字と正規表現はサポートされません。ヘッダフィールドの名前と値は128文字以下で指定する必要があります。 - (オプション) 必要に応じて手順bとcを繰り返し、別のヘッダフィールドを追加します。指定した任意のエントリとヘッダフィールドが一致するメールメッセージは、高度なスパムメール対策によって検索されません。
注意
最大10個のヘッダフィールドを指定できます。 - 指定したヘッダフィールドを削除するには、リストから選択して [削除] をクリックします。
ここで設定される承認済みヘッダフィールドリストは、現在のポリシーにのみ適用されます。Exchange Onlineのすべての有効なポリシーに適用される承認済みヘッダフィールドリストを作成することもできます。詳細については、Exchange Onlineの承認済みヘッダフィールドリストを設定するを参照してください。 - ブロックするヘッダフィールドリストを設定します。
- ブロックするヘッダフィールドリストを有効にします。
注意
ブロックするヘッダフィールドリストに一致するメールの場合、[ブロックする送信者/ヘッダフィールドリスト] に対して指定された処理がCloud App Securityによって適用されます。 - ヘッダフィールドの名前と、そのフィールドの値を指定し、それらの関係として [次の値を含む] または [次に等しい] を選択し、ルールを定義します。
- [ヘッダフィールドの追加] をクリックして、メールの照合に必要なヘッダフィールドを追加します。メールは、ルールで指定されたすべてのヘッダフィールドに一致する場合に、ブロックするヘッダフィールドルールに一致します。最大10個のヘッダフィールドを追加できます。
注意
ヘッダフィールドの名前と値は大文字と小文字が区別され、ワイルドカード文字と正規表現はサポートされません。ヘッダフィールドの名前と値は128文字以下で指定する必要があります。 - [ルールリストに追加] をクリックして、定義済みのルールを既存のルールリストに追加します。最大10個のブロックするヘッダフィールドルールを追加できます。
- ブロックするヘッダフィールドリストを有効にします。
- [処理と通知] をクリックします。
- 各カテゴリの [処理] を設定します。Cloud App Securityでは、次のカテゴリ別に処理を設定できます。
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(Exchange Onlineのみ) グレーメール
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(Exchange Onlineのみ) 詐欺サイト: ナイジェリア詐欺、宝くじ詐欺、およびビットコイン詐欺など。
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BEC
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フィッシング
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ランサムウェア
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不正なコンテンツ: コマンドアンドコントロール (C&C)、不正プログラム、バンキング型トロイの木馬など、その他の種類の不正な攻撃を仕掛けるスパムメールメッセージです。
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スパムメール: 不要な商用メールメッセージや不特定多数のユーザに送信される迷惑メールなどが含まれます。オプションで [内部ドメインから送信されたメッセージが、その他のスパムメールとして検出された場合は放置する] を選択すると、組織のセキュリティポリシーに基づいて正常として処理される内部メールメッセージが、Cloud App Securityによってその他のスパムメールとして処理されます。
注意
Exchange Online (インラインモード) の送信保護では、必要に応じて [その他のスパムとして検出されたすべての送信メッセージをログに記録せずに放置する] を選択します。 -
ブロックする送信者/ヘッダフィールドリスト: メールアドレスがブロックする送信者リストと一致する送信者からのメッセージ。
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異常なシグナル: Cloud App Securityによって疑わしいと判断された異常な特徴または挙動に一致するメッセージ。
注意
トレンドマイクロでは、「ディスクレーマーの追加」処理を適用してメール内の異常な特徴または挙動をユーザに警告することを推奨しています。異常なシグナルが1件あることが必ずしも脅威となるわけではないため、「隔離」や「削除」処理は推奨されません。
処理の詳細については、サービスごとに実行可能な処理を参照してください。高度なスパムメール対策フィルタ処理の適用方法の詳細については、高度なスパム対策フィルタの処理条件を参照してください。 -
- [通知] を設定します。
オプション 説明 管理者に通知する-
受信者グループを選択するか受信者を個別に指定して、通知する管理者を指定します。[受信者グループを管理する] をクリックして、グループのメンバーを編集したり、グループをさらに追加したりできます。
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セキュリティリスクが検出され、メールメッセージ、添付ファイル、またはファイルに対して処理が実行されたことを管理者に通知するメッセージの詳細を指定します。
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通知のしきい値を設定し、送信する通知メッセージの数を制限します。しきい値の設定には次のものがあります。
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一括通知を次の間隔で送信する: 特定期間のすべての通知をまとめたメールメッセージを送信します。ボックスに数字を入力して期間を指定し、時間または日を選択します。
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一括通知を次の件数ごとに送信する: 設定したフィルタ処理数の通知をまとめたメールメッセージを送信します。ボックスに数字を入力して、ウイルス/不正プログラムの出現頻度を指定します。
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個別通知を送信する: フィルタ処理を実行するたびにメールメッセージ通知を送信します。
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ユーザに通知するセキュリティリスクが検出され、メールメッセージまたは添付ファイルに対して処理が実行されたことを受信者に通知するメッセージの詳細を指定します。注意
通知メッセージは、通知する情報のトークンの要否を含め、目的に応じてカスタマイズできます。トークンの詳細については、トークンリストを参照してください。 -
- [保存] をクリックするか、左側のナビゲーションで別のポリシー設定を選択して追加のルールを設定します。
ライティングスタイル分析によるBEC検出を設定する
手順
- [ライティングスタイル分析を有効にする] を選択します。Cloud App Securityは自動的に、設定したメールアドレスから高プロファイルユーザが作成したメールメッセージの取得を開始し、それらを分析して各ユーザのライティングスタイルモデルのトレーニングを行います。トレーニングの状況を表示するには、 の順に移動します。Exchange OnlineやGmailなどのメールサービスに追加された各高プロファイルユーザのライティングスタイルモデルをトレーニングするには、そのサービスの少なくとも1つの高度な脅威対策ポリシーでライティングスタイル分析を有効にする必要があります。このトレーニングのプロセスは、そのサービスのすべてのポリシーでライティングスタイル分析を無効にすると一時停止され、少なくとも1つのポリシーでライティングスタイル分析を有効にすると再開されます。
重要
Cloud App Securityでは、各高プロファイルユーザの特定のライティングスタイルモデルをトレーニングするためにのみメールメッセージが検索され、実際のメールメッセージまたはその内容が収集されることはありません。 - 処理を選択します。ライティングスタイル分析の条件に一致する受信メールメッセージは、[処理] のBECに対する設定に関わらず、ここで指定された処理に従います。処理の詳細については、サービスごとに実行可能な処理を参照してください。ライティングスタイル分析が1つのメールサービスの複数のポリシーで有効にされている場合は、より優先度の高いポリシーに設定された処理が適用されます。ライティングスタイルを検証するための検索から高プロファイルユーザに関連するメールアドレスを除外するには、[高プロファイルユーザの除外リスト] にメールアドレスを追加します。
- (オプション) メールメッセージの実際の送信者であると考えられる高プロファイルユーザに通知メッセージを送信するには、[偽装された可能性のある送信者] を選択します。
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(オプション) 偽装された可能性のある送信者に通知する際、元のメールメッセージを添付ファイルとして追加するには、[元のメールメッセージを添付する] を選択します。
注意
[処理] が [削除] または [隔離] に設定されている場合、このオプションは適用されません。 -
(オプション) 通知メッセージにフィードバックオプションを追加するには、[フィードバックの送信を許可する] を選択します。偽装された可能性のある送信者は、[はい] または [いいえ] をクリックすることで、自分が実際にメールメッセージを送信したかどうかの裏付けを行うことができます。この操作は、メールメッセージに対して実行するよう設定された処理には影響しませんが、ライティングスタイル分析の機能向上に役立ちます。
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- (オプション) [管理者に通知する] を選択します。推定されるBEC攻撃を狙うメールが検出され、そのメールメッセージに対して処理が実行されたことを管理者に通知する、ライティングスタイル分析違反用に特別に設計されたメッセージが送信されます。管理者が通知メッセージを受信するかどうかは、[通知] の設定に関わらず、ここで指定された設定に従います。
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(オプション) [通知の編集] をクリックし、メッセージの内容を必要に応じて変更します。トークンの詳細については、トークンリストを参照してください。
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(オプション) 管理者に通知する際、元のメールメッセージを添付ファイルとして追加するには、[元のメールメッセージを添付する] を選択します。
注意
[処理] が [削除] または [隔離] に設定されている場合、このオプションは適用されません。
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高度なスパム対策フィルタの処理条件
[Exchange Online] の高度なスパムメール対策フィルタの処理条件は次のとおりです。
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詐欺サイト、BEC、フィッシング、ランサムウェア、および不正なスパムメールのカテゴリに対する初期設定の処理は [隔離]、グレーメールに対する処理は [放置]、その他のスパムメールに対する処理は [迷惑メールフォルダに移動] です。
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Cloud App Securityで [迷惑メールフォルダに移動] 処理が、高度なスパムメール対策またはその他の検索フィルタが選択されている場合でも、Cloud App Securityは他の検索フィルタでの検索を続けて実行できます。
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メールメッセージが複数のカテゴリで検出された場合、Cloud App Securityは各カテゴリに設定された処理を組み合わせ、優先度が最も高い処理を実行します。処理の優先度は高い順から、[削除]、[隔離]、[迷惑メールフォルダに移動]、[件名にタグを挿入]、[放置] になります。
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メールメッセージの検索が開始された後にユーザによって迷惑メールフォルダに移動、または迷惑メールフォルダから受信トレイに戻された場合、Cloud App Securityは新しい手動検索の開始時にそのメッセージを検索して処理します。
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[迷惑メールフォルダに移動] 処理の実行後にCloud App Securityによって迷惑メールフォルダに移動されたメールメッセージは、Cloud App Securityによって再度検索および処理されることはありません。
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メールメッセージがExchange Onlineによって迷惑メールフォルダに移動された場合、Cloud App Securityは対応するスパムメールカテゴリに設定された処理の優先度が [迷惑メールフォルダに移動] より高い場合のみ、そのメールメッセージに対して処理を実行します。
[Gmail] の高度なスパムメール対策フィルタの処理条件は次のとおりです。
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BEC、フィッシング、ランサムウェア、および不正なスパムメールのカテゴリに対する初期設定の処理は [メールにラベル付け]、その他のスパムメールに対する処理は [迷惑メールに移動] です。
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Cloud App Securityで [迷惑メールに移動] 処理が、高度なスパムメール対策またはその他の検索フィルタが選択されている場合でも、Cloud App Securityは他の検索フィルタでの検索を続けて実行できます。
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メールメッセージが複数のスパムカテゴリで検出された場合、Cloud App Securityは各カテゴリに設定された処理を組み合わせ、優先度が最も高い処理を実行します。処理の優先度は高い順から、[削除]、[メールにラベル付け]、[迷惑メールに移動]、[放置] になります。
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Gmailによってメールメッセージが迷惑メールフォルダに移動された場合、対応する迷惑メールカテゴリに設定された処理が [迷惑メールに移動]よりも優先される限り、 Cloud App Security はそのメッセージを処理し、引き続き処理を実行します。
通常と異なるシグナル
次の表に、Cloud App Securityで検出できる異常なシグナルをまとめます。
シグナル
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説明
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アカウント乗っ取り
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この送信者のアカウントは侵害を受けた可能性があります。
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異常なURL
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メール内のURLが、他の不正メールで検出されたものと類似しています。
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支払いに関するPDFを含むフリーメール
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このメッセージは、無料のメールサービスから発信されており、支払いに関する問題がPDFの添付ファイルに記載されています
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支払いに関するHTMLを含むフリーメール
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このメッセージは、無料のメールサービスから発信されており、支払いに関する問題がHTMLの添付ファイルに記載されています。
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支払いに関するHTMLを含む履歴のないアカウント
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このアカウントとは、過去に接触した履歴がなく、支払いに関する問題がHTMLの添付ファイルに記載されています。
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偽装ブランド
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送信者がよく知られたブランドを名乗っています。しかし、送信者の行動はそのブランドの既知の動作と異なっています。
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不審な通知
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添付ファイルに、不正なアクティビティに使用されるリンクが含まれている可能性があります。
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